認定NPO法人キーパーソン21

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「社会課題とその対策を考える会」第一回

2020.01.15

生きづらさ

「社会課題とその対策を考える会」第一回 「社会課題とその対策を考える会」第一回
キーパーソン21は、6つの領域の活動のうち「生きづらさ」領域の活動にあたり、次のとおり、
「社会課題とその対策を考える会」の開催をはじめました。
様々な社会課題が起きる中、様々な環境の中で生きづらさを抱えている子どもたちがどのような問題に直面しているのか、キーパーソン21として課題を認識したり、その解決策について考えることを目的とします。

 

まず、第一回(2019/9/23)は、
通信制高校に通う生徒の50%以上が進路未決定のまま卒業しているという実態や、
問題を抱えた生徒に対する外部機関との連携について、通信制の学校で教員をされている
会員の池なほさんをゲストにお話を伺いしました。

 


◆テーマ
「通信制高校の仕組みと現状」
◆スピーカー
池なほさん
◆池なほさんプロフィール
2009年 株式会社立広域通信制高校に開校から関わる。2014年からキーパーソン21会員。
2016年 鹿島学園高等学校通信制にて教員として勤務。現在に至る。

 

今回は事務局広報チーム金澤がレポートさせていただきます!よろしくお願いします。

参加者みんなで自己紹介と今お持ちの課題認識について

参加13名、zoom参加3名の合計16名の方が参加くださいました。お子さんが通信制に通われていた、通われている方、現在お子さんと真剣に向き合われている親御さん、大学のサポート体制に疑問を持たれた教員、様々な学校でキャリア支援をされている方、そんな方々がお集まりくださり、白熱した意見交換が行われました。

当日の流れ

1高等学校とは

2通信制のしくみ

3サポート校とは

4生徒のタイプ

5第3のタイプ急増

6卒業後の進路状況

7対策検討

 

当日の流れとして、1〜6まで池さんにお話いただき、後半は全員で対策検討について話し合いました。

通信制高等学校(①)とサポート校(②)について

①通信制高等学校は学校法で認められ、公立・私立があり高校卒業資格を取得できる教育機関。

【メリット】

・単位制である通信制高校は、月に定期的なスクリーニングやレポート提出、試験で単位取得が可能となるため、全日制・定時制と比べ生徒自身の時間が多く取れる。

・スポーツや芸能活動など、また病気などで定期的通学が難しい生徒も自分のペースで高校卒業資格を取得できる。

・近年では、有名大学の受験勉強に集中する場所として全日制高校より編入する生徒もみられるようになってきた。

【デメリット】

・通信制は単位取得の自学自習のため、勉強時間だけでなく日常生活時間も自分で設定する必要がある。

・また学習理解力も「自分のペース」のため、期間内に取得単位に達しない遅れがちな生徒いる。

 

②サポート校とは、高等学校卒業資格を取れる学校でないが、通信制高等学校に通う生徒を3年間で卒業できるよう単位取得、進級に必要な学習レベルのほか生活レベルなど支援する「私塾」であり、学力を支援する教育機関。

私立の通信制高等学校は、全国に直営のサポート校を拠点設置すると共に各地の私立サポート校と提携し、生徒の指導支援のフォロー体制をとっている。

学校行政を司る文科省は、サポート校の存在を認めていなかったが、近年の通信制高等学校の生徒数の増加に伴い、自分で勉強時間が確保できない、単位取得できない生徒も増えたことから存在を認め始めている。

「社会課題とその対策を考える会」第一回

「みんな違って、みんな違う」(※)

池さんが何度もおっしゃっていた言葉。通信制に通う人は本当にみんな違う。全然違う学びたい人がそれぞれに学んでいる。サポート校も充実していて、それぞれの学ぶ人に合わせられる通信制高等学校の世界、とても素敵な印象を受けました。(※)みんな違ってみんな良いという意味を含め、アレンジした池さんの言葉。本当にみんないろいろなんだよ〜楽しそうにお話する姿が印象的でした。


一方で、諸事情により全日制に通えないから通信制に通うというイメージもある。それをマイナスに受けとっている一部の保護者の方から、卒業証書に“通信制”という記載はありますか?と質問を受けたりすることも。全日制もある通信制高等学校を保護者が選ぶ、全日制に行かせたかった、通信制高等学校に通うことにマイナスイメージを持つ保護者もいらっしゃるそうだ。

後半は参加者みんなで意見交換

親、教員、子ども、それぞれの立場から様々な意見が出されました。

その中でもとても印象的で心の中に留めておきたいと感じた子どもの立場での意見をご紹介します。

“橋を渡る”という感覚ではなく、池に浮いているはすの葉一つ一つバランスを取りながら慎重に渡っている感覚なんです。落ちないように次の葉に進むために下を見るので精一杯。そこで前を向け、将来のことを考えなさい、と言われても無理。1秒後を生きるので精一杯なんです。
そんな時に周りの大人には次に出す一歩を肯定して、足元を固めるフォローをしてほしい。

涙が出た。そうだ、そうだった、何かモヤモヤしていたのはこれだ。良かれと思って、子どもの先を心配して大人は子どもと接する。そうじゃない。良かれじゃない、ただの自己満足だ。子どもの立場の話を子どもからリアルに聞けたことで、子どもを取り巻く環境の一つに直に触れられた気がして、この気持ち絶対忘れないと思いました。

 

子どもの未来を見るのではなく、子どもの今のありのままを見つめ認めよう。

 

この言葉を胸に留めている大人が増えることで、子どもたちがどんなに生きやすくなるのだろうか、真剣にそう思いました。キーパーソン21ではこれからも議論を続けていきます。
「社会課題とその対策を考える会」第一回

次回予告

「社会課題とその対策を考える会」第二回

 

日程:2020年2月1日(土)午後

テーマ:「虐待」

スピーカー:当事者でもあり、NPOなどでも問題に向き合っておられる会員のやぶうちゆうさん

 

会員のみなさま、ご関心ありましたらぜひご連絡ください!

 

(レポート 事務局 金澤美貴)

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